顧問弁護士がいる企業は多いですが、絶対に契約しておかなければならないものではありません。
そのため、契約するかどうか迷ってしまう人も非常に多いと言えます。
自社専属の弁護士がいることにはたくさんのメリットがあるので、依頼するかどうか迷っている場合は利用することの利点から知ってみると良いでしょう。
目次
顧問弁護士を雇うメリット
法的トラブルに関する相談を気軽に行える
まず、法的トラブルに関する相談を気軽に行えるという魅力があります。
企業は様々な法的トラブルを抱える可能性がありますが、相談できる相手がいなければ不安な気持ちのまま経営を続けることになるはずです。
会社内のガバナンス問題や取引先との契約上の問題、消費者とのトラブル、SNSにおける問題など、様々なトラブルが起こる可能性があります。
経営者自身が法律に関する確かな知識を持っているケースは少なく、気になることがあるけれどそのままになっている企業が非常に多いです。
気になっていたことを放置しておくと、いつの間にか大きな法的トラブルに発展するかもしれません。
顧問弁護士がいる場合は、いつでも気軽に相談することができるため安心して経営を行えるようになります。
もちろん、気になることがある場合だけではなく、日頃からトラブルの事前予防を任せておくことも可能です。
他社と契約する際に契約書を吟味してもらったり、自社が不利になることがない契約書を作成してもらったりすることができます。
普段から書類やコンプライアンスの確認などを行ってもらえるので、問題を引き起こさずに済む可能性が高くなるでしょう。
弁護士を探す手間を省ける
弁護士を探す手間を省けることも大きなメリットです。
わざわざ顧問として契約する必要はないと思うかもしれませんが、トラブルが発生したときにすぐに対応してくれる弁護士が見つかるとは限りません。
顧問でなくても継続的に利用している弁護士がいれば安心だと思うかもしれませんが、トラブルの相手側も同じ弁護士を利用している、既に他の相談者からたくさんの仕事が入っているという場合は利用することができないです。
対応が遅れてしまうことによって、状況が悪くなったり、自社が不利になったりする可能性もあります。
緊急事態が発生したときに、顧問であればすぐに対応してもらうことができるので安心です。
法務部を設置するよりも安く済む
法務部を設置するよりも安く済むことも利点だと言えるでしょう。
社内に法務部を設置するのであれば、新しい部署の設置費用や人件費などの費用が発生します。
部署の設置や採用にはたくさんの時間と労力が必要となるでしょう。
企業で全ての法的事務を担当することも不可能ではありませんが、一部を顧問弁護士に依頼するほうが安価になるはずです。
顧問契約をする場合は費用が発生しますが、法務部の設置よりは安く済みやすいことを知っておきましょう。
コンプライアンスへの取り組みに対応してもらえる
コンプライアンスへの取り組みに対応してもらえるというメリットもあります。
会社の運営や管理状況に関するチェックを行ってもらい、会社の業務がコンプランス関連の対応で止まってしまわないように対策を講じてもらうことが可能です。
経営者自身がコンプライアンスに関する豊富な知識を有していれば対応できるかもしれませんが、多くの場合は正しい対応ができていません。
顧問弁護士がいれば的確な対応が可能となりますし、万が一、会社でコンプライアンス違反が発生した場合でも弁護士に相談していれば善管注意義務違反が否定される可能性が高くなります。
自社に合ったアドバイスが得られる
自社に合ったアドバイスが得られることも大きな魅力です。
必要に応じてその都度違う弁護士に依頼する場合は、自社のことを十分に理解してもらえていない状況で話を進めることになります。
一方で、日頃からかかわっている顧問弁護士であれば自社のことを知り尽くしているはずです。
一般的な法的なアドバイスが得られるだけではなく、自社のニーズに合った助言を得ることができるようになります。
弁護士の中には法的アドバイスから一歩踏み込んだアドバイスまで行っている人もいるため、そういった人と契約しておけば会社の運営体制を強化できるでしょう。
まとめ
他にも、起こっているトラブルについて緊急を要するのか判断してもらえる、優先して相談しやすい、経営者の相談役が手に入る、会社の信頼性が向上するというようなメリットがあります。
顧問弁護士は絶対に契約しなければならないものではありますが、こうしたたくさんの魅力があることを知っておくべきです。
弁護士と顧問契約を結んでおかなければ、大きな問題が起こって企業の信頼が失われてしまったり、取引先との関係が悪くなってしまったり、社員が何人も辞めてしまったりするようなトラブルが発生するかもしれません。
こういった問題は、顧問契約を結んでおくことで防ぎやすくなります。
そのため、企業は弁護士と顧問契約を結んでおくことがおすすめだと言えるでしょう。
特徴やメリットについて十分に理解を深めた上で、依頼するかどうか積極的に検討してみることをおすすめします。
参考リンク
顧問弁護士と弁護士の違い