既にユニセフに遺産の寄付を検討している方はもちろん、寄付先を迷っている方におすすめしたいのがユニセフ遺産寄付プログラムです。
ここではユニセフの理念について、また遺産を寄与するためのプログラムの利用方法について解説します。
日本ユニセフとは
まず寄付先である、日本ユニセフについて詳しく見ていきましょう。
正式名称は公益財団法人日本ユニセフ協会といい、東京都港区高輪に本拠を置く組織です。
世界における34ヶ国の先進国および地域に存在しているユニセフ国内委員会の1つであり、国際連合児童基金(UNICEF)を代表する国内唯一の機関でもあります。
世界で活動しているユニセフを支援するために設立され、国内では募金活動や広報および啓蒙が主な活動です。
ユニセフの日本支部という扱いではないものの、民間人に呼びかけて資金援助を行う民間団体(NGO)を設立させたものが日本ユニセフということになります。
街頭キャンペーンや募金箱といった募金事業、グリーティングカードの販売事業が中心です。
飢餓に苦しむ子どもたちや、発展途上国の子どもたちの人権を守るための活動が主体となっています。
日本ユニセフが手掛けているユニセフ遺産寄付プログラムは、金銭および不動産など財産を寄与することができます。
なお租税特別措置法第70条の1によって、相続税の課税対象にならないと記されているのは特筆すべきポイントです。
相続財産から寄与する金額を差し引いた後に、課税の計算がなされます。
すなわち相続税から外れるため、そもそもが課税対象となり得ないという訳です。
子どもたちの栄養・衛生面の改善はもちろん、水・環境保全や保険・教育など多岐にわたって子どもたちの未来を守るための活動支援の資金に用いられます。
ユニセフ遺産寄付プログラムの利用方法
次にユニセフ遺産寄付プログラムの利用方法、すなわち具体的な寄付の方法について見ていきましょう。
プログラムの利用には、3つの手段の中から選ぶことができます。
■遺贈寄付
まずは遺言書を作成して、遺産を寄与する遺贈寄付に関してです。
ちなみに遺言の残し方については自筆証書遺言と、公正証書遺言の2つの手法があります。
自筆証書遺言とは全文を自分の筆記で作成して、自身で保管します。
一方公正証書遺言は公証役場にて証人の立ち会いのもと作成され、保管も役場が行うのが通常です。
どちらの方法でも、ユニセフ遺産寄付プログラムの利用は可能です。
2つの方法のメリット・デメリットを見るのであれば、自筆証書遺言は本人の都合でいつでも記すことができるものの不備や紛失の可能性があるのがデメリットです。
万が一遺言書として成立しなかったり、紛失した場合はその内容が達成されません。
公正証書遺言の場合はわざわざ役場まで出向いて作成する必要があり、費用もかかるのがデメリットです。
しかし遺言書の作成については確実であり、さらに保管・管理が万全である点もメリットです。
より確実に内容を達成したいのであれば、公正証書の作成の方が無難でしょう。
なお作成時のポイントとしては、寄与する先はユニセフではなく公益財団法人日本ユニセフ協会と記載することです。
一般名称ではなく正式名称を記しておくことで、相続登記や税金の控除などの手続きがスムーズになります。
■相続財産から行う
プログラムの利用方法として、相続財産から行うという手法もあります。
故人から相続した遺産から行うこと、すなわち遺族など相続人の意志によって行う方法です。
近年では故人から相続した財産のうち、その一部をユニセフに寄与するというケースが増えています。
故人が生前に抱いていた理想・理念を引き継いで実現することにより、家族でその思いを共有することが可能という訳です。
利用は故人がこの世を去ったことを知った翌日から、10ヶ月以内であれば税金の控除も受けられます。
具体的には寄付した金額・財産分の相続税の免除と、所得税および一部の住民税の控除 です。
ただ控除を受けるには、いずれの方法を利用するにしても領収書および公益法人証明書の2つが必要です。
手続きを行った際に日本ユニセフ協会が発行する、2つの証明書類を忘れずにもらい受けましょう。
■香典返しの寄付
さらに香典返しの寄付という形でも、募金・寄付に貢献できます。
葬式でいただく香典から寄付が可能であり、喪主が代表して一括で行うのが通常です。
香典返しの代わりとして寄付した場合は、遺族が参列者に配るためのお礼状が手渡されます。
この手法を利用するには、故人が生前から寄付を行っていたことを遺族および参列者が知っている際に使うのが良いでしょう。
まとめ
詳しい手続きや資料のやりとりに関しては、日本ユニセフの公式ホームページにて行うことが可能です。
特に詳細を記した資料は郵送だけでなくサイトでPDF書類をダウンロードすることができ、即座に確認できます。
加えて遺産寄付プログラムについて分からないことがあれば、窓口が設置されているため日本ユニセフに問い合わせて相談してみましょう。